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賃貸借契約により入居した一戸建て住宅が競売になると住み続けられない

住み心地のよい一戸建ての借家、入居してもう十年近くになります。ある日突然、裁判所の執行官という人から通知が来て「室内の調査をしたい」ということです。調査の予定日時が書いてありビックリです。さて、この住宅に住み続けることはできるのでしょうか。

大家さんが破産して住んでいた借家が競売になってしまう

裁判所の執行官からくる通知は「現況調査の通知」というもので、住んでいる住宅が抵当権者から差押えを受け、競売の開始が始まったからです。
現況調査は競売にかける物件の状態を調査し、入札価格の基準額を算定することと、入札参加者に対して物件の状況を知らせる為の資料の作成が目的です。

この通知が届いてから半年~1年の間に、住んでいる借家は第三者の所有になってしまうのが一般的です。

住み続けられる期間は、賃貸借契約をした時期と物件の状況によって変わる

賃貸借契約によって住んでいる人にとって、最も気になることは「いつまで住めるのか?」ということです。

住んでいられる期間は次の3つのパターンによって異なります。

  1. 抵当権は賃貸借契約の前から設定されていた
    1. 賃貸借契約の時期が平成16年3月31日までの契約
    2. 賃貸借契約の時期が平成16年4月1日以降の契約
  2. 抵当権は賃貸借契約を締結し入居後に設定された
1-1 抵当権は賃貸借契約の前から設定されており、賃貸借契約の時期が平成16年3月31日までの契約
一般的には借家の契約は3年以内の期限にしていますので、契約期限までに退去しなければなりません。
1-2 抵当権は賃貸借契約の前から設定されており、賃貸借契約の時期が4月1日以降の契約
「建物明渡猶予制度」が適用され、買受人が代金の納付をした日から6ヶ月間は住んでいられます。
2 抵当権は賃貸借契約を締結し入居後に設定された
賃借権が抵当権より優先されるので、退去の必要はありません。

このように抵当権の設定時期が賃貸借契約の前か後かによって大きく違います。
抵当権設定よりも賃貸借契約(入居)が以前であれば、賃借権が優先されるので退去する必要はなく、賃貸借契約は新しい所有者(賃貸人)との間で承継されます。

抵当権が賃貸借契約よりも以前に設定されている場合には、抵当権が優先されるので基本的には賃貸借契約が終了し退去しなければなりません。
ただし、賃貸借契約の時期によって、上のように猶予期間が異なり、平成16年3月31日以前の契約では「短期賃貸借保護制度」という以前の制度が適用され、契約期限までは賃貸借契約に基づき住んでいられます。

その場合の退去期限は契約書に記載されている契約終了期限までです。

自動更新で契約している場合は、最初の契約期間が2年ごとあるいは3年ごとに更新されています。

平成16年4月1日以降の契約の場合は、平成16年からスタートした新しい制度「建物明渡猶予制度」により、6ヶ月間の猶予があります。

賃貸借契約の時に、物件に抵当権の設定があるか無いかを確認することは、あまり行われていないと思いますが、アパートや賃貸マンションのように賃貸用物件であれば、あまり気にしなくてもよいと思いますが、戸建住宅のように、本来は賃貸物件では無いような物件の場合は確認して、賃貸借契約に臨む方がよいと思います。

また、1-1、1-2の場合でも、抵当権者の同意があれば賃借権を優先させることができる制度もあります。

住んでる物件が競売になった時の注意点

猶予期間の注意点
原則的に退去が必要となる 1-1、1-2 のケースでは、賃借権という権利が認められるわけは無く、あくまでも退去までの猶予期間という位置づけなので、賃料の滞納などがあると、猶予期間が無くなり即退去しなければならないということもありますので、注意して下さい。

現況調査の注意点
競売が開始になるとまず執行官からの「現況調査の通知」が届きますが、この通知を無視して訪問日に留守にしたりすると、解錠業者を同行して来ますので、勝手に鍵を明けて家の中に入り調査します。写真も撮られます。

異議の申し立てや拒否は出来ないたいへん強い権限で訪れますので、協力姿勢が大切です。

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