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「かぼちゃの馬車」問題にみる不動産投資に対する金融機関の責任

新築のシェアハウスを建設したオーナーからサブリースして物件管理と賃貸事業を行い、オーナーへ家賃の一部を配当するビジネスモデルが破たんした問題。
「かぼちゃの馬車」問題として、ウェブやTVでも報じられているので、不動産投資に関心のある方はご存知のことと思います。

このようなことが起こると「不動産投資は危険なもの」という印象を持つことがありますが、現役の投資家たちがどのようにこの問題を見ているのか、投稿記事から窺ってみようと思います。

融資のほとんどに係わっていたスルガ銀行の責任は?

件のビジネスモデルを展開していた「スマートデイズ」は、4月9日に東京地裁へ民事再生を申請しました。

この問題で最も被害を受けているのは、「家賃保証」という言葉を真に受けて物件を取得したオーナーです。
1棟1億円とも言われる物件を取得するのに自己資金を拠出できる人はいません。ほとんどの人が銀行融資を受けています。そしてほとんどが銀行がスルガ銀行その融資を受けていたと言われています。

銀行融資を受けるにあたって銀行は審査をしますが、審査に際し提出した資料を改竄していたとの報道もあり、オーナーたちは、改竄した資料に基づいて融資を実行したスルガ銀行の責任を追及したいという思いが強いようですが、銀行の融資姿勢を問うことができるのかについて焦点を当ててみます。

問題を抱えていたビジネスモデル

スマートデイズのビジネスモデルには最初から問題点があります。
まずその問題点を整理してみます。

  1. 高い入居率を確保できない事業計画
  2. 収支バランスが成り立たない高い物件取得費
  3. 返済がきつくなる高い金利による融資

以上のようなことが指摘できるのですが、経験の豊かな不動産投資家の目から見るとけっして手を出さない物件と見ています。
しかし、不動産投資に経験のないサラリーマンなどにとっては「家賃保証」という甘い言葉が、とても魅力的に見えてしまうようだったのでしょう。

賃貸事業において入居者を確保できるなどという保証は不可能です。
不可能なことを条件とした契約、これほどリスクの大きい事業はありません。
賃貸事業は「如何に満室状態を継続するか」が大きなテーマであり、管理会社が保証できるものではありません。

「家賃が保証されている」からこそ手を出した投資物件ですが、本当は手を出してはいけない物件だったのです。

3つあげた問題点のうち、1番目と2番目についてはオーナーの増加を図るために事業者側が行ったことですが、3番目は他の銀行では融資は受けられない、スルガ銀行しか融資をしないような特殊な案件であったことが問題を深刻化させているようです。

不動産投資熱は沈静化するか

スルガ銀行の融資姿勢と今後の不動産投資における同行の立ち位置、そして不動産業界への影響について、『スルガスキームの終焉で、融資事情はこう変わる 起こりうる「3つの変化」を予測』に詳しく書かれています。

一時の勢いは無くなりましたが、まだまだつづくと思われていた不動産投資ブームですが、この件を契機に熱は下がっていくと思われます。

それは投資家心理が冷え込むということではなく、投資に対する資金供給が絞られることにより、新規・中古にかかわらず「リスクの高い案件には融資しない」という流れが生まれてくると思われます。

銀行融資の在り方が健全な方向に転換しむしろ歓迎すべきことかもしれません。

スルガ銀行はどのような責任を果たすべきか

「スマートデイズ」が民事再生を申請したことは冒頭に触れましたが、仮に民事再生が認められず破産処理になったとしても、『「かぼちゃの馬車」騒動が映す不動産投資の罠』に書かれているようにスルガ銀行の責任を追及することはできるのでしょうか。

「詐欺だろう!」「何が再生なのか、ふざけるな!」――。社会問題となった女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐるトラブル。運営するスマートデイズが4月9日、東京地方裁判所に対し、民事再生手続開始を…

「スマートデイズ」の主な債権者はシェアハウスのオーナーです。家賃収入が途絶えてしまったオーナーたちの債権者はスルガ銀行です。

スマートデイズ → オーナー → スルガ銀行

このような債権債務の関係になります。

スマートデイズの法的処理がどのような結果になっても、スルガ銀行との直接の関係はありません。
スルガ銀行に責任を問う立場になれるのはオーナーです。

シェアハウスのオーナーのほとんどは経営破たんに陥ります。
オーナーが生き残る道は次のようなことだと思います。

  • スマートデイズとのサブリース契約を解除し、入居者との直接契約とする
  • スルガ銀行との間で返済猶予や金利減免の交渉を行う
  • 返済が難しい場合は任意売却による債務整理をスルガ銀行に交渉する

以上のようなシェアハウス再建策に、スルガ銀行は積極的に応じることが、金融機関としての責任の取り方だと思います。

https://www.ardhome.net/real-estate-investment