住宅を建てる会社の選択方法にアフターの良し悪しを挙げる人がかなりいます。ところが、ハウスメーカーのアフターはよくないという評判があります。
アフターが悪くなる原因と、ハウスメーカーとの上手な付き合い方を考えてみます。
ハウスメーカーのアフターが悪くなる原因とその対策
毎年100棟の住宅を建てる会社は、毎年100件の新しいOB客が生まれます。
10年経つと、1000件のOB客となります。これが、アフターが悪くなる根本の原因です。
つまり、累積棟数に比例してアフター部門の体制整備が出来ないことが、アフターが悪いという評価につながっていきます。
アフター部門は売上に直接関係する部門ではありませんので、企業としては人員を増やしたくないと考えます。
アフター案件が増えると、ひとりの担当者が扱う件数は増えていき、やがて消化できない量になってしまい、お客様からのクレームが重なってしまう。
クレームがクレームを生む!という悪循環に陥ってしまい、ますますアフター案件の増大を招く。
このような事例は、どこのハウスメーカーでもあることです。
担当者が困るアフター依頼とは
アフター担当者からアフター業務を見た場合、困ってしまうアフター依頼が結構多いのです。
アフター依頼はだいたい一本の電話からスタートします。
『○○が✕✕なんですが、一度見てもらえません!』
電話が終わると『あ~またか!』と思うものです。
住宅のアフターは、
- 設備や建具などの不具合
- 外装材や内装材の劣化
- 雨漏れなどの機能的欠陥
などを対象としているのですが、時々
- 蟻がたくさん出てくる
- スズメが巣を作った
- 屋根の上で変な音がする
といった自然現象に起因することを『何とかしてほしい』と依頼されます。
ほっとけないので、訪問して現状を確認し、住宅の構造上の問題では無いことを説明して、理解を得ようとするのですが、なかなか理解してもらえません。
このようなケースは、ハウスメーカー側としては何の解決法も見出せませんし、対応の出来ないことがらなのです。
アフターサービスは有料です
上に書いたことは、アフターサービスを行うハウスメーカー側の事情です。
○千万も出したのだからアフターはキチンとやって!
というのがお客様の言い分です。
なるほど!そうかもしれませんが、出来るものと出来ないものがあるという事情をまずご理解下さい。
エアコン・給湯器といった設備器具はほとんど1年保証が付いています。
保証期間が過ぎると、点検だけでも費用がかかります。出張費とか点検料とかの名目で、数千円の費用がかかるものです。
何年たっても、点検料をいただかないのは、住宅ぐらいではないでしょうか?
街の電器屋さんと長年お付き合いをしている人は、数年経ったテレビの映りが悪くなったら、すぐに電器屋さんを呼びます。電器屋さんはすぐに飛んで来て、無料で点検してお茶を飲みながら世間話しをして、ニコニコ帰っていきます・・・・・何故でしょうか?・・・・・
テレビを買い換えてくれるからです!
点検には本来費用がかかります。その費用をお客様から頂戴するかしないかは、リピート客かそうでないかによって変わるんですね。
住宅の場合を考えてみましょう。
住宅新築においてはリピート客というものは存在しません。何故なら、5年ごとに家を建替える人はいません。
それなのに、何年経っても、点検料をいただかずに点検に来ます。その理由は・・・・・ナゼでしょう?
お客様の紹介キャンペーン
ハウスメーカーにとって最も大事なお客様は、新築を予定しているお客様です。このような方を見込み客といいます。
営業活動で最も大事な活動が見込み客情報の収集です。
見込み客情報の収集方法として、モデルハウスを建てたり、見学会をやったりします。
それらのPRの為に、コマーシャルや新聞折込、雑誌掲載にチラシのポスティングなどをやっています。
どれも、費用のかかることです。
見込み客情報収集の最も効率的で、なおかつ費用のかからないのが
OB客からの紹介です!
ハウスメーカーがアフターサービスに期待していることは、お客様の紹介なんです。
アフター依頼の正しい方法
アフターサービスには、お客様が期待していることとハウスメーカーが期待していることには違いがあります。
この違いを分かった上でアフター依頼をして下さい。
ハウスメーカーの期待が高まれば、納得のいくアフターになるものです。
逆であれば、アフターが悪いといつまでも嘆いていなければなりません。
つまり、ハウスメーカーと上手に付き合うことです!