ローン特約条項により売買契約を解除したのに、手付金の返還に応じない仲介不動産会社。最後の手段が功を奏して手付金が戻ってきた。
この事例では不動産業界にある悪習のようなものを感じましたが、とにかく手付金が戻りやれやれです。
住宅ローン不承認により売買契約を解除し手付金が戻ってきた
手付金が戻って来たと、Aさんからメールが来ました。
ありがとうございます
X県のAです
何回にも及び即的確な指導をしてくださったおかげで無事解約が出来て手付金も返してもらいました
いろいろな事を言われましたが先生の指示通り毅然に振る舞い指示をメモして居たので協会の連絡先も相手に見えていたのかもしれません
またこのやり取りを今後民事裁判になった場合証拠として提出するのでと録音をしながら取引を進めました
領収書を発行しないであちらの控えとして預り証らしき帳簿をつけている点などはずっとあれでやってきたみたいで発行しないことが問題だと思っていませんでした
今売れればあとは知らないって言う無責任な仲介業者が多いのではないかと再認識し今後は気をつけて行動しようと思いました
弘中様と出逢えなかったら私はこんなに頑張れなかったですし戦えずして泣き寝入りしていたと思います
親身に何度も相談にのっていただきありがとうございました
いつの日にかお会いして直接お礼を言いたいです
本当にありがとうございました
今後ともよろしくお願い致します
Aより
契約解除・手付金返還交渉をふり返る
こうして約20日間に及ぶ、Aさんの契約解除・手付金返還交渉は、無事終わりました。
このような事例の場合には、普通は『止むを得ない事情』による契約解除という方向で、仲介会社は売主と協議をして円満な解決を図るべきなのですが、最初に相談が寄せられた時点で、相手は簡単には解約には応じないだろうと思いましたので、最悪の場合(手付金を放棄する)もあり得ることを念頭におきながら、Aさんにアドバイスを続けました。
Aさんの交渉の仕方はたいへんうまかったようです。
宅建協会や民事訴訟といった言葉を時折はさみながら、相手のペースではなく、自分のペースで交渉を行なったことが効を奏したようです。
まずは、手付金が戻り契約は解除されましたので、私もホッとしましたが、そもそもこのようなトラブルにAさんが巻き込まれた原因はなにかというと・・・・・
住宅ローンの事前審査も行なわず、強引に契約を迫るという不動産会社の姿勢にあるわけです。
不動産市況が低迷している現在、その分競争も激しくなっています。
強引に、何がなんでも契約させるという営業手法はこれからも増えていくと思います。
一生に一回か二回の大きな買い物です。安易に契約を急がず、もしも・・・・ということも考えながら、慎重に進めてほしいと思います。
最後に、事例の公表を自ら勧めていただきましたAさんに感謝申し上げます。
いつの日か環境が整ったら、Aさんにとってよりベストなマイホームが実現することを願っております、有難うございました。