私は、昭和49年4月、東京に本社がある某大手企業に就職しました。
事務所は丸の内です、そうです・・・×菱が社名につく、日本でも指折りの大企業です。
そこで3年間、コンクリート系の工業化住宅の開発をやっていました。積水さん とかミサワさん とかおなじみの、当時はプレファブ住宅と呼ばれていましたが、現場でパタパタと組立てられていく住宅を開発していました。
プレファブはプレハブとも書かれたりして、すごく安っぽいイメージがあったのですが、今では、住宅と言えば“工業化住宅”と言われるぐらいの社会的な認知を得ています。
その、×菱さん で、3年間技術開発に取り組んだのが、一生、住宅にかかわることになったキッカケです。
この×菱さん での開発は、結局は日の目を見ることはありませんでした。会社の大方針によって、住宅産業からは撤退したからです。
同じフロアーで開発していた断熱材などは、子会社が開発を進め、現在もけっこう使われているようです。
その後は3年間、技術開発を専門とする設計事務所で、分譲マンションの内装・電気・設備のプレファブシステムの開発に取組みました。
このように、学校を出てから6年間は、技術部門で経験を積んできたのです。
東京の暮らしにも飽きてきて、故郷がなつかしくなり北海道に戻ってきたのは昭和55年の春です。
再就職のなんの当ても無いまま戻ってきましたので、大学時代の非常勤講師を務めておられた、札幌のとある設計事務所の社長を頼って顔を出してみました。
すると『とりあえずウチにいたら』と、暖かい言葉をもらい、しばらくそこで建築設計の仕事をさせてもらいました。
この頃には、すでに一級建築士と宅地建物取引主任者の資格を得ていたのですが、建築業界は資格なんぞ関係ありません、あくまでも実力です。
ここで、1年ほどやっかいになった後、別の設計事務所に移りました。この設計事務所で、欠陥建築のトラブル解消という仕事を始めてすることになったのです。
この設計事務所が設計監理した分譲マンションが札幌にありました。
半分ほどが売れた状態で、残り半分はまだ売れ残っています。
ある日このマンションの住人の一人が、地下部分でとんでもない
欠陥を発見したのです。
最も力がかかる地下の柱と1階の梁の接合部分の鉄筋が丸出しです。しかも1ヶ所ではありません、何ヵ所もあったのです。
大きな地震がくると、とても持ちこたえられる状態ではありません。鉄筋コンクリートは、鉄筋がコンクリートでくるまれているから強度があるのであって、鉄筋丸出しではなんの強度もありません。
調査できるところはすべて調査しました。屋上スラブにもコンクリートが詰まっていない、ジャンカがたくさんありました。
大きなクラックも発見されました。極めて深刻な状態です。
そこで、調査結果の報告書を持参して、建築工事を請負った東京のゼネコンとの協議を行ないました。
3ヶ月ぐらいの交渉期間を経て、このゼネコンは売れ残った住戸を買取り、欠陥部分はすべて補強工事を行なう事で決着しました。
大変シンドイ仕事でした。この結果、取締役札幌支店長を始め、数人の管理職・担当社員がこのゼネコンを辞めることになったのです。
私は仕事として徹底的にやったのですが、結果は多くの人が責任を問われて会社を辞めることになりました。
大変辛い思いをしたものです。
その後独立した私は、設計事務所を営み、住宅を始めアパートやマンションなどの設計を仕事としていました。
ある日付き合いのある不動産屋さんから電話がありました。
3階建てのマンションを建てているオーナーがいるのですが、基礎部分に欠陥があるまま工事が進んでいる、このままではとんでもない欠陥マンションになってしまう。建築会社はまったくそのことを無視して工事を進めている。なんとかならないだろうか・・・・・こんな電話でした。
何とかしましょう! と請負った私は、さっそく現場の調査を行い、問題があるまま工事が行なわれていることを確認しました。
そこで、建主代理人としての立場で、建築会社に対し工事中断を指示し、善後策を検討しました。
建築会社としては、まさか私のようなウルサイ奴が出てくるとは思っていなかったようで、私の申出を聞き入れて約2週間工事をストップさせました。
その間、建築会社と協議を行い、問題部分の工事のやり直しを行なうこと、そして、2週間工事が延びたことによって、アパート開業時期が遅れた損害の補てんをすることを合意して決着となりました。
この時にも、工事責任者と営業責任者が会社を辞める羽目になってしまいました。
どうやら、私が建築トラブルに首を突っこむと、必ず相手の会社の数人が会社を辞めざるを得なくなってしまうようです。
こんなことは私の本意ではありません。私はただ、困っている建主さんを黙って見過ごすわけにはいかないので、やっていることなのですが、必ず犠牲者が出てしまいます。
もうトラブルには首を突っこみたくないと思っているのですが、何故かトラブルがあると私のところに話がきます。
今度はハウスメーカーからでした。
生コンクリートの打設時間が延びてしまって、オープンタイムを過ぎたコンクリートが打設されたのではないかと、建主さんが不安になり、基礎の解体と造り直しを要求されており困っている・・・というものです。
これまでの経験からして、生コンクリートの品質には問題ないと考えた私は、さっそく大学の研究室にコンクリートの非破壊試験を依頼し、基礎の安全性を確認して建主さんに説明し、やっとのことで要求を取り下げてもらいました。
欠陥住宅とは縁があるようで、またまた仕事の依頼がありました。
今度は、引渡しを受けた建主さんが、完了検査の結果、欠陥があるではないか・・・と、工事代金の残金の支払いを拒んだのです。
すると、住宅会社は、この建主さんを相手に、
工事代金の支払いを求める訴訟をおこしてきたのです。我慢できないのは建主さんです。裁判で堂々と戦ってやると・・・私に現状の調査と、裁判での証人として出廷してほしいという依頼でした。
紹介してくれた人の手前もあり、この仕事を引き受けたのですが、建築用語の理解できない弁護士さんや裁判官を相手にした訴訟は大変苦労したものです。
建築トラブルと縁の切れない私でしたが、その後はリフォーム工事もやるようになり、様々な問題住宅を見てきましたし、問題を解決もしてきました。
毎年のように雨漏れがする、大きなガラス壁面がありました。
雨漏れがするたびに工事をした会社に手直しをしてもらっていましたが、一向に直る様子がありません。
そんな相談を受けた私は、
こうすりゃ〜簡単に直るよ! と、大工さんと相談をしながら、2〜3日の工事でした。
みごとにそれ以来、雨漏れはピタッと止まってしまいました。
住宅や建築でおこるトラブルの中でも、雨や風などの自然によっておこることについては、自然の原理を考えると不思議と解決策というものは生まれてくるものです。
2003年まで、住宅の外科手術のようなことをずっとやってきましたが、その仕事の依頼元であった地場のハウスメーカーの要請で、横浜・仙台で新たな仕事をすることになりました。
それまでやっていた仕事は友人に譲って、身軽になった私は、2年近く北海道を離れハウスメーカーの新規拠点づくりに没頭することとなりました。
その仕事を終え北海道に戻ったのが、2006年の春です。
これまでの忙しい日々とは打って変わって、ノンビリと仕事をする毎日となりました。
中古住宅のコンサルティングを仕事としてやるようになり、時間が余るものですから、昔やっていたウェブサイトの運営を再開するようになりました。
ウェブサイトを運営していると、全国のいろんな方から質問やら相談を受けるようになったのです。
最初の頃は、技術的な質問が多かったのですが、だんだんと『家が傾いています、どうしたらいいのでしょう?』とか、『引渡し前にハウスメーカーが倒産しました、どうしたらいいのでしょう?』などのご相談が多くなってきました。
たくさんのご相談を受けているうちに、
無料の相談では限界がある・・・
- 相談を受けると言っても、慰めの言葉をかけるしかない
- 解決方法をお伝えするにも、一般論しか伝えられない
- 現地を確認していないから、推測でしか話ができない
- 無料だと、相談する人に遠慮が生まれる
こんなことを感じるようになったのです。
とは言っても、無料の相談はいまもやっています。
とりあえず相談してみようという方は住まいのコンサルタントからご相談下さい。
- 安心して中古住宅を購入したい
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