住宅の一生と人生のかかわり

先日のことですがある相談が寄せられ、どんなアドバイスをしようかと考えているうちに、住宅の一生 ということについて考えてみました。
今日はそんなことを書いてみようと思います。

住宅は完成しない

住宅が完成します、建主さんは予想していた以上の仕上がりで非常に満足しています。
設計を行った建築士も、ほぼ設計意図が反映された工事の出来栄えにこれまた満足です。

しかし・・・私は・・・住宅の工事に完成というものは無いと思っています。

住宅の新築工事は3カ月もあると終わってしまいますが、その後、20年、30年と住宅が建っている間はず~と工事は続きます。
家族構成の変化や、生活スタイルの変化によってリフォーム工事が必要になることもあります。
インテリアのイメージを変えてみたいと、内装を一新することもあります。
設備機器が寿命を迎え交換が必要なるときもやがて来ます。

住宅は変化をしつづけ、そして、新築工事の終了とともに、老朽化へのスタートを切るのです。

人間の体も同じですが、老朽化は自然なことです。しかし、出来るなら老朽化のスピードを遅らせて、なるべくいつまでも若々しくいたいと誰でも思っています。

その為には、定期的なメンテナンスと老朽化の進み具合を判断する知識が必要です。

ハウスドクターの必要性

住宅を新築する時には建築士が設計を行います。引き渡しが終わり、その後の数十年という住宅の一生を、建主とともに住まいの健康管理をおこなってくれる人・・・ハウスドクター・・・通常は、建ててもらったハウスメーカーや工務店の担当者が、ず~と相談相手になってくれるのが望ましいのですが、そうもいかない場合もあります。

担当者が転勤で遠くへ行ってしまったとか、退職してしまったといったこともあります。
時には工事期間中の様々なトラブルが原因で、建てた会社と縁が切れることもあります。

例えばこんなことです。

  • 打合せのミスが多く、思ったような仕上がりにならなかった
  • 契約前に言っていたことが、着工するとすべて無視された
  • 工事管理がだらしなく、手直しばかりだった
  • 工期が守られなく、無理やり引渡をされてしまった
  • 残工事がたくさんあり、引渡後数年たつのに未だに終わっていない

こんなことが重なり『もうあの会社とは係わりたくない!』と思うようになる建主さんも実は多いものです。
非常に残念なことなのですが、もし、建ててもらった会社との関係がこんなことになってしまったら、潔くその会社とは付き合いを止めた方がいいと思います。

さきほども、書きましたように新築工事の時の数十倍もの長い期間を、メンテナンスの部分でお世話になる会社は絶対に必要なことです。

たとえば、残工事の目処が立たないようであれば残工事を違う会社にやってもらうこともアリですので、そんな相談やリフォームの相談を数社にしてみて、一番信頼できそうな会社に今後の永いお付き合いを頼むのも方法ではないでしょうか。

住まいとともに歩む人生

住宅を売却したり、古い住宅を解体して建て替えする仕事に係っていると、住まいにものすごく愛着をもっていらっしゃるお客様に出会うことがあります。

私たちは住宅を仕事の対象物として捉えていますが、お客様にとっては、これまでの人生を思い起こさせるメモリアルであることがわかります。
その思い出のいっぱい詰まったお住まいを売却する、あるいは解体する時の気持ちというものは、その方にしか分からないものがあります。
住宅は生活の器といいますが、どうもそれだけではありません。

ああ~この住宅はお客さんの人生そのものなんだな~・・・と感じたりするものです。
そんな住まいとの永いお付き合い・・・是非やってほしいと思っています。


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